新型コロナ禍の影響で軒並み予定していたコンサートも中止。その代替案としてにわかに注目される「ライブ配信」。
この形態はとくにクラシックにおいて「生音が一番、ライブ感こそ命」という幻想を打ち捨てることができるかどうか、そこが転換のポイントでしょう。
個人的には、私たちのような過疎地方のものにとっては、アクセスの悪い会場、近くても音響の悪い場所などに妥協し、集客に頭を悩ませることを考えればはるかに可能性を持った形態だと思っています。
音質さえ担保されるなら、会場アクセスが不便で二の足を踏まれる方だけではなく、高齢、病気、介護や子供のことなど、さまざまな事情でコンサートに「行きたくても行けなかった」人たちへの福音ともいえるでしょう。
もちろん私たちに演奏者にとっても「日本各地つづうらうら」漫遊ツアーを無理して組むこともなくなります。交通費宿泊費がネックで行くことが出来ない地方の方にも音楽を届けることが出来るのは大きな前進とも言えます。
そしてよく考えれば、演奏中、コンサート会場では禁止制約される行為、飲食、姿勢態勢、未就学児の同伴。そしてチャットを通じた聴衆同士の会話など。
これらが可能になるのですから大きな進化なのです。
聴衆のキャパシティーが会場に左右されないのでライブ料金も格安に抑えることも可能。
もちろんYoutuberのように広告収入で生活できれば無料となるのですが、そこはやはり演奏に対する正当な対価として有料であるべき、と思っています。